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フェイスブックのためのフェイス
2011.04.07 Thursday
去年の今頃はこのブログにtwitter経由で、驚異的な数の訪問者があった。
『1000の風』の連載を読みにきてくれた人たちだった。最近はやはり同じ連載を読みに、フェイスブック経由でやってくる人たちが激増している。
フェイスブックがどんなところなのか気にしていたら、誘いがあったのでアカウントをとった。エジプトやチュニジアで起きたような民衆蜂起が日本でも起きるかも知れないしね :-)
フェイスブックというくらいだから顔写真が必要ということで、この写真を使った。
幕末の飛脚を撮った写真の顔の部分にだけぼくの顔を合成させたものだ。
1995年頃わがフライ・コミュニケーションズはウェブページを作って出そうとした。ちょうどその頃アメリカでは「インターネットには悪い、間違った情報が多すぎるので、bad informations を規制すべきだ」という声があり「ネット規制はあってはならない」という人たちとの間で大論争が起きていた。
ぼくは当然「あってはならない」派だった。
そこでフライを紹介するページを作るとき、
「創業150年、創業者は飛脚(flying foot)だった」という文章にした。
誰にでもすぐに大ボラとわかるような、bad informationをあえて出したかったのだ。
英語と日本語の文もできて読んでみたら、あまりにもばかばかしかったので「お蔵入り」させてしまった。今回フェイスブックのために蔵出ししたのが、そのときの写真。
入れ墨だらけの肉体は幕末時代の誰かのものだし、顔だってぼくが今より16才も若い頃の顔だ。こんな写真でいいのだろうか :-)
ハイトリック
2009.06.29 Monday
カジカ(河鹿)と呼ばれる、声の美しいカエルがいる。
ぼくは姿を見たことはないが、カヌー遊びをしていて鳴き声を聞いたことはある。
江戸時代には専用のカゴが作られるほど、カジカを飼うのが流行ったらしい。夏の縁側でカジカの声をたのしむ。風流な遊びだったんだろうね。
カジカは生きた小さな虫しか食べないので、いつの時代も餌には苦労してきた。
大正時代に流行したときは、餌にする生きたハエを捕獲する機械が発明され、ヒットした。それが『ハイトリック』。ハエ捕り機。
尾張時計という会社が作った精巧なゼンマイ仕掛けだ。箱の横にネジを差し込んで巻くと、上部の板が実にゆっくりと回転し始める。そこに砂糖水でも塗っておけば、とまったハエは気がつかないうちに箱の中に落ち、カゴ部分に生け捕りにされてしまうわけだ。
のどかな時代ののどかな機械だ。
写真の『ハイトリック』は知り合いの旧家から出てきて、いただいたもの。元エンジニアの浅見秀司さんが調整をしてくれたので完璧に作動するのだが、まだ一度もハエをとったことがない。
こないだハエを叩き殺したバラク・オバマ氏にでもプレゼントしようかな :-)
夏の風物詩、カジカの鳴き声が聞けるサイトはここ。
→カジカの声
ぼくは姿を見たことはないが、カヌー遊びをしていて鳴き声を聞いたことはある。
江戸時代には専用のカゴが作られるほど、カジカを飼うのが流行ったらしい。夏の縁側でカジカの声をたのしむ。風流な遊びだったんだろうね。
カジカは生きた小さな虫しか食べないので、いつの時代も餌には苦労してきた。
大正時代に流行したときは、餌にする生きたハエを捕獲する機械が発明され、ヒットした。それが『ハイトリック』。ハエ捕り機。
尾張時計という会社が作った精巧なゼンマイ仕掛けだ。箱の横にネジを差し込んで巻くと、上部の板が実にゆっくりと回転し始める。そこに砂糖水でも塗っておけば、とまったハエは気がつかないうちに箱の中に落ち、カゴ部分に生け捕りにされてしまうわけだ。
のどかな時代ののどかな機械だ。
写真の『ハイトリック』は知り合いの旧家から出てきて、いただいたもの。元エンジニアの浅見秀司さんが調整をしてくれたので完璧に作動するのだが、まだ一度もハエをとったことがない。
こないだハエを叩き殺したバラク・オバマ氏にでもプレゼントしようかな :-)
夏の風物詩、カジカの鳴き声が聞けるサイトはここ。
→カジカの声
弱視の子のための本
2009.06.26 Friday
弱視の子たちの中には器具を使ったりあるいは裸眼でも、文字さえ大きければ読書ができるという子がたくさんいる。
高校の同窓生だった葉子さんからそんな話を聞いたのは最近のことだ。
彼女は仲間たちとそんな子どもたちのために「拡大した絵本」を作って、各地の盲学校や図書館に届けるというボランティア活動を10年以上続けている。
その葉子さんが友人の律子さんと一緒に昨日訪ねてきた。
ぼくの本のいくつかを「拡大」したいということだった。
見本も見せてくれた。
著者の許可を得た本を拡大コピーし、文章部分は手書きで大きく縦書きにする。(弱視の人たちは縦書きの方が読みやすいらしい)そうやって作ったページを重ねて、手でていねいに製本する。子どもたちの本なので丈夫に製本された立派な本だった。
弱視の子たちにもぼくの本を読んでもらえるのはとてもうれしいし、選んでくれたことも名誉に思う。
本を選び終え、打ち合せも終えて雑談しているとき、びっくりするような話が出た。
葉子さんと一緒に見えた律子さんのお祖父さんは「ハエ取り紙」を発明した人なのだそうだ。このところ連日のように「ハエ」のことを日記に書いていたぼくのところに「ハエ取り紙」の発明者の孫がやってくるなんて!
天井からくるくると吊るすあの「ハエ取り紙」最近は家庭ではほとんど見かけなくなったけど、料亭の調理場などの(殺虫スプレーとかを使えない)場所では、今でも活躍しているそうだ。
高校の同窓生だった葉子さんからそんな話を聞いたのは最近のことだ。
彼女は仲間たちとそんな子どもたちのために「拡大した絵本」を作って、各地の盲学校や図書館に届けるというボランティア活動を10年以上続けている。
その葉子さんが友人の律子さんと一緒に昨日訪ねてきた。
ぼくの本のいくつかを「拡大」したいということだった。
見本も見せてくれた。
著者の許可を得た本を拡大コピーし、文章部分は手書きで大きく縦書きにする。(弱視の人たちは縦書きの方が読みやすいらしい)そうやって作ったページを重ねて、手でていねいに製本する。子どもたちの本なので丈夫に製本された立派な本だった。
弱視の子たちにもぼくの本を読んでもらえるのはとてもうれしいし、選んでくれたことも名誉に思う。
本を選び終え、打ち合せも終えて雑談しているとき、びっくりするような話が出た。
葉子さんと一緒に見えた律子さんのお祖父さんは「ハエ取り紙」を発明した人なのだそうだ。このところ連日のように「ハエ」のことを日記に書いていたぼくのところに「ハエ取り紙」の発明者の孫がやってくるなんて!
天井からくるくると吊るすあの「ハエ取り紙」最近は家庭ではほとんど見かけなくなったけど、料亭の調理場などの(殺虫スプレーとかを使えない)場所では、今でも活躍しているそうだ。
ハエの愛
2009.06.25 Thursday
『ハエ全書』という400ページ以上の奇書がある。
この本によるとハエはかなりの快楽主義者だそうだ。クニリングスに近い行為もするし、体毛を使って想像力あふれる交尾をすると書かれている。1匹のメスに2匹のオスが乗ることもあれば、メスがオスに乗ることもあるらしい。交尾時間は「せいぜい数秒」で、終わったあとメスはしばらく痙攣状態で動けないのだそうだ。その痙攣が快楽によるものであるかどうかは、まだわかっていないとか。
数年前、お茶の木の葉っぱの上で偶然見つけて偶然持っていたカメラで撮ったのがこの写真。あのときもたしかにオスはすぐに飛び立って、メスはそのままの体勢でとどまっていた。
「ほんの数秒のできごと」なら、写真を撮れたのは幸運だったんだね。
『ハエ全書』にも2点の交尾写真が載っているが、どちらも実験室の箱の中で撮ったようなものに見える。ぼくのは、自然の中で気持ちよさそうでしょ?
この本によるとハエはかなりの快楽主義者だそうだ。クニリングスに近い行為もするし、体毛を使って想像力あふれる交尾をすると書かれている。1匹のメスに2匹のオスが乗ることもあれば、メスがオスに乗ることもあるらしい。交尾時間は「せいぜい数秒」で、終わったあとメスはしばらく痙攣状態で動けないのだそうだ。その痙攣が快楽によるものであるかどうかは、まだわかっていないとか。
数年前、お茶の木の葉っぱの上で偶然見つけて偶然持っていたカメラで撮ったのがこの写真。あのときもたしかにオスはすぐに飛び立って、メスはそのままの体勢でとどまっていた。
「ほんの数秒のできごと」なら、写真を撮れたのは幸運だったんだね。
『ハエ全書』にも2点の交尾写真が載っているが、どちらも実験室の箱の中で撮ったようなものに見える。ぼくのは、自然の中で気持ちよさそうでしょ?
ハエ・シイ
2009.06.24 Wednesday
北山耕平とフライ・コミュニケーションズを設立したとき、名刺にハエの絵を印刷した。フライとはハエのことだった。
オノ・ヨーコが70年代に作った前衛映画"FLY"のことが頭にあった。一匹のハエがぶんぶんと飛んだり這いずり回ったりするのをカメラが追う。やがてそのハエは全裸の女性の体の上を動き回っていたことがわかってくる。
ぼくらもあんなふうに好奇心の赴くままに飛び回っていれば、やがてぼくらがどこにいるのか、全体像が見えてくるだろう。そういう仕事をしようと思ったのだ。
南風椎(はえ・しい)というペンネームは、Fly Communications(ハエ・C)の言葉遊び。そもそもはフライのスタッフなら誰でも使えるペンネームにしようとして考えたものだけど、現在までのところぼく以外は誰も使っていない。
オノ・ヨーコの映画"FLY"の一部は、YouTubeで見ることができる。
そんな縁があったので、名刺のFlyの文字はヨーコさんが書いてくださった。
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本名・長野眞
フライ・コミュニケーションズ代表
1948年生まれ。1971年上智大学を卒業後、新聞記者、コピーライターの仕事を経験し、シカゴに留学。帰国後「日本国憲法」(小学館)を共同編集したことで本を作る楽しさを知り、北山耕平とともにフライ・コミュニケーションズを設立。斬新でユニークなアイデアと感性で、数多くの作品を企画、編集、執筆する。2009年世界にたった一冊の本をつくる「ニュー・グリーティングブックス」のHPを開設。10年間横浜の小さな森の中で自然とともに暮らし、現在は鎌倉の海辺で閑かな日々を過ごしている。
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