一定期間更新がないため広告を表示しています
地下生活者の幸福
2009.07.31 Friday
セミは地中に何年間もいて、やっと地上に出てきたらたった一週間しか生きられないのだから可哀想だ、という声をよく聞く。ほんとうにそうなんだろうか。
ぼくの目にはセミの「地上での一週間」はなんとも過酷な日々に見える。
短い期間に異性を探さなきゃいけない。食事も探さなきゃいけない。雨や風からは身を隠さなきゃいけない。鳥などの外敵からいつも逃げ回っている。逃げる途中でクモの巣にからめとられるセミも多い。苦労と災難の連続に見えるのだ。
それに比べ地中にいたころの何年間かは(想像するしかないけど)あたたかい土に包まれて心配事もなく、のんびり夢を見て過ごしていたんじゃないだろうか。
もしかしたらセミの一生でいちばん幸福な時代は、地上に出てくる前の時代なんじゃないかと思うことがよくある。
写真は昨日の夕暮れ時、コナラの木の幹で鳴いていたヒグラシ(カナカナ)。
この森では最初にミンミンゼミが鳴き、次にアブラゼミの時期がきて、最後にヒグラシが鳴いて夏の終わりが近いことを教えてくれるのが決まりになっていた。
ところが今年は梅雨の頃に一番にヒグラシが鳴きはじめて、驚かされた。
何かとおかしなことばかり起きている、2009年の夏だ。
ぼくの目にはセミの「地上での一週間」はなんとも過酷な日々に見える。
短い期間に異性を探さなきゃいけない。食事も探さなきゃいけない。雨や風からは身を隠さなきゃいけない。鳥などの外敵からいつも逃げ回っている。逃げる途中でクモの巣にからめとられるセミも多い。苦労と災難の連続に見えるのだ。
それに比べ地中にいたころの何年間かは(想像するしかないけど)あたたかい土に包まれて心配事もなく、のんびり夢を見て過ごしていたんじゃないだろうか。
もしかしたらセミの一生でいちばん幸福な時代は、地上に出てくる前の時代なんじゃないかと思うことがよくある。
写真は昨日の夕暮れ時、コナラの木の幹で鳴いていたヒグラシ(カナカナ)。
この森では最初にミンミンゼミが鳴き、次にアブラゼミの時期がきて、最後にヒグラシが鳴いて夏の終わりが近いことを教えてくれるのが決まりになっていた。
ところが今年は梅雨の頃に一番にヒグラシが鳴きはじめて、驚かされた。
何かとおかしなことばかり起きている、2009年の夏だ。
スケルトン・スモーキング
2009.07.30 Thursday
近所の歯医者の先生は話し好きの楽しい人だ。その先生に去年の夏「ねえ、禁煙しましょうよ!」と勧められ、トライしてみることにした。
禁煙は成功した。半年間。
このことはまだおおっぴらにしてないのだが、実は半年後からこっそりまた喫煙をはじめていたのだ。
そんなときに歯医者さんから「一年たつので検査と掃除にきてください」という連絡があった。弱ったね。歯医者さんの目はごまかせるわけがない。
しばらく返事をしないでいたけど、意を決して予約を入れ、今日、行ってきた。
でかけるとき「骸骨が歯をむきだして煙草を吸っている絵」をプリントしたTシャツを着て行った。「ごめんなさい。反省してます」という気持ちをこめて。
先生は「しょうがないなあ。画家とか物書きって不摂生だから」と、ぼくの反省の気持ちだけは受け入れてくれたようだった。
この骸骨はヴィンセント・ヴァン・ゴッホが描いた絵。
アムステルダムのゴッホ美術館でこの絵を見ると、なぜかぼくを思い出す人が多いようで、Tシャツだけでなくこれまでに絵ハガキを2枚、ポスターを1枚おみやげにもらっている。
禁煙は成功した。半年間。
このことはまだおおっぴらにしてないのだが、実は半年後からこっそりまた喫煙をはじめていたのだ。
そんなときに歯医者さんから「一年たつので検査と掃除にきてください」という連絡があった。弱ったね。歯医者さんの目はごまかせるわけがない。
しばらく返事をしないでいたけど、意を決して予約を入れ、今日、行ってきた。
でかけるとき「骸骨が歯をむきだして煙草を吸っている絵」をプリントしたTシャツを着て行った。「ごめんなさい。反省してます」という気持ちをこめて。
先生は「しょうがないなあ。画家とか物書きって不摂生だから」と、ぼくの反省の気持ちだけは受け入れてくれたようだった。
この骸骨はヴィンセント・ヴァン・ゴッホが描いた絵。
アムステルダムのゴッホ美術館でこの絵を見ると、なぜかぼくを思い出す人が多いようで、Tシャツだけでなくこれまでに絵ハガキを2枚、ポスターを1枚おみやげにもらっている。
虹は何色まで見える?
2009.07.29 Wednesday
ぼくたちは虹を7色で描く。上から順に、赤橙黄緑青藍紫だ。
セキトウコウリョクセイアイシ、とおぼえている。
欧米の人たちは虹を6色で描く。藍色がない。藍色(インディゴ)という言葉が難しくて知らない人が多いからだと言われている。名前を知らない色は発見できない。
逆にアジアのどこかには、虹を30色にも見分けられる人たちがいるそうだ。
先週、虹のいい写真がたくさん見れる時代がきたと書いたばかりだが、早速別の新しい虹の写真が届いた。ふたたびのダブル・レインボウ。おとといの東京の夕方、この建物は六本木ミッドタウンかな? 森の緑もきれいだ。
ぼくの仕事を手伝ってくれたりもしている土光洋子さんが撮影したもの。
このところ激しい雨が降ったりやんだりの、亜熱帯ふうの天候が続いているので虹も多く出ているのだろう。
このまま日本が亜熱帯化して、うんと頻繁に虹が見れるようになれば、この島の人たちもいつかは虹を何十色にも見分けられる能力が身につくのかも知れない。
それって「地球温暖化の明るい側面」と言えるのだろうか?
言えないよな :-)
セキトウコウリョクセイアイシ、とおぼえている。
欧米の人たちは虹を6色で描く。藍色がない。藍色(インディゴ)という言葉が難しくて知らない人が多いからだと言われている。名前を知らない色は発見できない。
逆にアジアのどこかには、虹を30色にも見分けられる人たちがいるそうだ。
先週、虹のいい写真がたくさん見れる時代がきたと書いたばかりだが、早速別の新しい虹の写真が届いた。ふたたびのダブル・レインボウ。おとといの東京の夕方、この建物は六本木ミッドタウンかな? 森の緑もきれいだ。
ぼくの仕事を手伝ってくれたりもしている土光洋子さんが撮影したもの。
このところ激しい雨が降ったりやんだりの、亜熱帯ふうの天候が続いているので虹も多く出ているのだろう。
このまま日本が亜熱帯化して、うんと頻繁に虹が見れるようになれば、この島の人たちもいつかは虹を何十色にも見分けられる能力が身につくのかも知れない。
それって「地球温暖化の明るい側面」と言えるのだろうか?
言えないよな :-)
激しい雨
2009.07.28 Tuesday
7年前の夏、用があってフィリピンに行き、マニラ郊外でひと月過ごした。
若いころからぼくは東京やニューヨークでよく、フィリピン人にタガログ語で声をかけられた。きっと風貌が似てるんだろうなと漠然と思っていたが、初めて現地に行って、それを確信するようになった。まったく外国人扱いされないのだ :-)
フィリピンではひと月の間、毎日のようにスコールに遭った。
突然暗くなり風が吹き、雷鳴とともに大粒の雨が落ち出したかと思うと、いきなり「バケツをひっくり返したような」あるいは「犬と猫が大げんかしているような」豪雨になった。
ひんぱんに停電した。道路には水があふれ出すが、人々は慣れたもので店先や軒先で穏和な表情で雨宿りをしていた。
ある時、病院のファサードで雨宿りしている人たちの中にいたぼくは、タクシー乗り場まで走ってやろうと決め、雨の中に飛び出した。駆け出した途端にツルリと足を滑らせ、派手に転んで尻餅をついた。お尻はひどく痛いし、全身ビショ濡れ。
ファサードの下の人たちは、笑うでも同情する様子もなく(この人いったい何をやってるんだ?)という顔で眺めていた。
フィリピンにきて初めてぼくは「違う人種を見る目」で見られていた。
(そう、ぼくは見かけはフィリピン人かも知れないけど、中身はせっかちでおっちょこちょいの日本人なんだよ)
こんな話を書いているのは他でもない。
今年の夏の日本の雨が、まるでフィリピンのスコールのようだからだ。短時間に大量の雨が激しく降っている。
経験からスコールになった時の心構えをアドバイスしておきたい。
慌てずに雨宿りをすること。亜熱帯的な激しい雨を見ながら「地球温暖化問題」に思いを馳せたりするのもいい。くれぐれも飛び出して行って転倒したりしないように。
激しい雨は、長くは続かないから。
写真はヴィットリオ・デ・シーカ監督の名画『自転車泥棒』の1シーン。
若いころからぼくは東京やニューヨークでよく、フィリピン人にタガログ語で声をかけられた。きっと風貌が似てるんだろうなと漠然と思っていたが、初めて現地に行って、それを確信するようになった。まったく外国人扱いされないのだ :-)
フィリピンではひと月の間、毎日のようにスコールに遭った。
突然暗くなり風が吹き、雷鳴とともに大粒の雨が落ち出したかと思うと、いきなり「バケツをひっくり返したような」あるいは「犬と猫が大げんかしているような」豪雨になった。
ひんぱんに停電した。道路には水があふれ出すが、人々は慣れたもので店先や軒先で穏和な表情で雨宿りをしていた。
ある時、病院のファサードで雨宿りしている人たちの中にいたぼくは、タクシー乗り場まで走ってやろうと決め、雨の中に飛び出した。駆け出した途端にツルリと足を滑らせ、派手に転んで尻餅をついた。お尻はひどく痛いし、全身ビショ濡れ。
ファサードの下の人たちは、笑うでも同情する様子もなく(この人いったい何をやってるんだ?)という顔で眺めていた。
フィリピンにきて初めてぼくは「違う人種を見る目」で見られていた。
(そう、ぼくは見かけはフィリピン人かも知れないけど、中身はせっかちでおっちょこちょいの日本人なんだよ)
こんな話を書いているのは他でもない。
今年の夏の日本の雨が、まるでフィリピンのスコールのようだからだ。短時間に大量の雨が激しく降っている。
経験からスコールになった時の心構えをアドバイスしておきたい。
慌てずに雨宿りをすること。亜熱帯的な激しい雨を見ながら「地球温暖化問題」に思いを馳せたりするのもいい。くれぐれも飛び出して行って転倒したりしないように。
激しい雨は、長くは続かないから。
写真はヴィットリオ・デ・シーカ監督の名画『自転車泥棒』の1シーン。
ジョン・レノン "Tell Her Now"
2009.07.26 Sunday
ひさしぶりにジュリアン・レノンの名前を聞いた。
ジョンの最初の妻との間の息子だ。
60年代にジョンが歌詞だけを書いていた作品に、ジュリアンが曲をつけて発表するというプロジェクトが進んでいるとか。こんなふうな歌詞だ。
一説では66年に書かれたものだと言う。
ビートルズが日本にきた年だね。
ジュリアン・レノンはジョンの死後レコード・デビューした。
ジョンの最初の妻との間の息子だ。
60年代にジョンが歌詞だけを書いていた作品に、ジュリアンが曲をつけて発表するというプロジェクトが進んでいるとか。こんなふうな歌詞だ。
Tell Her Now
Little girl I've come to stay
And this time I just have to say
I love you
If she turns you down and you're rejected
Try again the best you can
Call to see her when you're least expected
Tell her now she'll understand.
Little girl I've come to stay
And this time I just have to say
I love you
If she turns you down and you're rejected
Try again the best you can
Call to see her when you're least expected
Tell her now she'll understand.
一説では66年に書かれたものだと言う。
ビートルズが日本にきた年だね。
ジュリアン・レノンはジョンの死後レコード・デビューした。
「Here Comes A Son(息子がやってきた)」などと揶揄されたり、父親そっくりの曲を作らされ、父親そっくりに歌わされたりして、なんだか可哀想だった。
奇跡の日蝕
2009.07.25 Saturday
日蝕狂想曲が
いつまでもとまらない。
朝からまた日蝕番組をやっていた。
ぼくはこんぶ茶を飲み
厚焼きせんべいを食べながら
ぼんやり眺めていた。
ガンジス河のほとりで
祈りを捧げる人たちがいた。
上海の曇り空を見上げ
嘆いている人たちがいた。
太平洋上の船で
感動で泣いている人もいた。
部分日蝕、皆既日蝕、
ダイアモンド・リング。
テレビを見ていたぼくに
そのとき
驚愕することが起きた。
ぼくの手の中で
部分日蝕が始まっていたのだ。
時空間のひずみを抜けて
宇宙の意志が届いたような感覚だった。
カメラを取りに走り
記録に残した。
太陽と月の結婚。
宇宙の神秘。
地球に生まれた喜び。
シュトラウスの交響詩
『ツァラトストラはかく語りき』を
頭の中で大音量で聴きながら
奇跡の日蝕写真を
鑑賞いただきたい。
いつまでもとまらない。
朝からまた日蝕番組をやっていた。
ぼくはこんぶ茶を飲み
厚焼きせんべいを食べながら
ぼんやり眺めていた。
ガンジス河のほとりで
祈りを捧げる人たちがいた。
上海の曇り空を見上げ
嘆いている人たちがいた。
太平洋上の船で
感動で泣いている人もいた。
部分日蝕、皆既日蝕、
ダイアモンド・リング。
テレビを見ていたぼくに
そのとき
驚愕することが起きた。
ぼくの手の中で
部分日蝕が始まっていたのだ。
時空間のひずみを抜けて
宇宙の意志が届いたような感覚だった。
カメラを取りに走り
記録に残した。
太陽と月の結婚。
宇宙の神秘。
地球に生まれた喜び。
シュトラウスの交響詩
『ツァラトストラはかく語りき』を
頭の中で大音量で聴きながら
奇跡の日蝕写真を
鑑賞いただきたい。
梅干し
2009.07.24 Friday
今年の梅雨は梅干し作りをしなかった。
何年か前には写真のように大量に作ったこともあった。あれは大変だったな。
あの年の梅干しは今でも壜詰めにして残っている。
7月も終わりに近づいたのに、梅雨が明けたかどうかはっきりしない天候です。
昨日の7月23日はNew Greeting Booksのサイトがオープンする予定で、そう話してあった人たちもいるのですが、ごめんなさい、何かとあってもう少し遅れるようです。
このページの右のサイドバーにあるNew Greeting Booksの写真部分をクリックすると、最初に出る5タイトルの本の表紙が見れます。
何年か前には写真のように大量に作ったこともあった。あれは大変だったな。
あの年の梅干しは今でも壜詰めにして残っている。
7月も終わりに近づいたのに、梅雨が明けたかどうかはっきりしない天候です。
昨日の7月23日はNew Greeting Booksのサイトがオープンする予定で、そう話してあった人たちもいるのですが、ごめんなさい、何かとあってもう少し遅れるようです。
このページの右のサイドバーにあるNew Greeting Booksの写真部分をクリックすると、最初に出る5タイトルの本の表紙が見れます。
ハートのメッセージ
2009.07.23 Thursday
窓の外の梅の木に、蔓がからみついている。
「あのハート型の葉っぱは、ヤマイモじゃないですか」
と、来客が教えてくれた。
「今のうちに地面に目印の棒でも立てておいて、秋には掘ってみるといいですよ」
窓の下のどこかにヤマイモがいて、ハートのメッセージを窓辺まで届けているというわけだ。ロマンティックじゃないか。ヤマイモがシラノ・ド・ベルジュラックで、ぼくがロクサーヌ? :-)
クマ笹の茂みをかき分けて、とりあえず目印の棒を立てておいた。
しかし、ヤマイモを掘るのは至難の業だと聞いたことがある。脳外科手術なみの技量がいるとか。不器用で粗忽者のぼくに掘り出せるとは思えないけど。
ダブル・レインボウ
2009.07.22 Wednesday
横浜は曇っていて木漏れ日が見れなかったので、その代わりこないだの日曜日に東京で観測された天空ショーの写真を。
アフリカン・ダンスの舞踏家、嶋裕子さんが撮った写真を拝借した。
気持ちのいい写真だね。
ダブル・レインボウ。古代の人たちが雌雄二頭のドラゴンに見立てたという虹だ。時計の針がドラゴン出現の時間を教えてくれているのもいいな。
虹の写真は難しかった。出現が予測できないし、時間も短いからだ。
プロが撮影した写真だって、びっくりしてカメラを構え、あわててシャッターを切ったものばかりだと思う。
ところが今や誰もがポケットにカメラつき携帯を入れていて、性能も高くなっている。
アフリカン・ダンスの舞踏家、嶋裕子さんが撮った写真を拝借した。
気持ちのいい写真だね。
ダブル・レインボウ。古代の人たちが雌雄二頭のドラゴンに見立てたという虹だ。時計の針がドラゴン出現の時間を教えてくれているのもいいな。
虹の写真は難しかった。出現が予測できないし、時間も短いからだ。
プロが撮影した写真だって、びっくりしてカメラを構え、あわててシャッターを切ったものばかりだと思う。
ところが今や誰もがポケットにカメラつき携帯を入れていて、性能も高くなっている。
これからはさまざまな場所に出現したさまざまな虹を、たくさん見れるようになるのだろう。そんな時代の到来を感じさせてくれた、一枚。
「戦挙」
2009.07.21 Tuesday
やっと衆議院が解散した。
「選挙は戦争だ」「さあ戦場に行って戦おう」
などと勇ましく叫ぶ政治家の声を、今日一日で何回聞いただろう。
選挙の季節のたびに違和感をおぼえることだ。政治家もマスコミ報道も、どうして選挙を戦争用語や軍事用語で語りたがるのかが、わからない。
・いざ出陣 ・軍資金 ・実弾 ・臨戦態勢 ・一騎討ち ・玉砕覚悟 ・焦土作戦 ・落下傘候補 ・死闘 ・援軍 ・戦局 ・参戦 ・激戦 ・総力戦 ・長期戦 ・消耗戦 ・敗戦 ・戦犯は誰だ などなど。
なんなんだろうね、これは。
日本は軍事国家じゃない。平和な民主国家だ。たぶん。
そして十分な情報を得た有権者が賢明な選択をするのが、選挙なんだと思う。
議会制民主主義はそんな選挙の上に成り立っている。
こんどの総選挙は日本を大きく変える選挙になりそうだ。
できればこんな好戦的な言葉で無神経に選挙が語られるような政治も、おしまいにしてほしい。
写真は戦時中の戦意高揚雑誌『躍進之日本』の表紙。
「選挙は戦争だ」「さあ戦場に行って戦おう」
などと勇ましく叫ぶ政治家の声を、今日一日で何回聞いただろう。
選挙の季節のたびに違和感をおぼえることだ。政治家もマスコミ報道も、どうして選挙を戦争用語や軍事用語で語りたがるのかが、わからない。
・いざ出陣 ・軍資金 ・実弾 ・臨戦態勢 ・一騎討ち ・玉砕覚悟 ・焦土作戦 ・落下傘候補 ・死闘 ・援軍 ・戦局 ・参戦 ・激戦 ・総力戦 ・長期戦 ・消耗戦 ・敗戦 ・戦犯は誰だ などなど。
なんなんだろうね、これは。
日本は軍事国家じゃない。平和な民主国家だ。たぶん。
そして十分な情報を得た有権者が賢明な選択をするのが、選挙なんだと思う。
議会制民主主義はそんな選挙の上に成り立っている。
こんどの総選挙は日本を大きく変える選挙になりそうだ。
できればこんな好戦的な言葉で無神経に選挙が語られるような政治も、おしまいにしてほしい。
写真は戦時中の戦意高揚雑誌『躍進之日本』の表紙。
- sponsored links
-
本名・長野眞
フライ・コミュニケーションズ代表
1948年生まれ。1971年上智大学を卒業後、新聞記者、コピーライターの仕事を経験し、シカゴに留学。帰国後「日本国憲法」(小学館)を共同編集したことで本を作る楽しさを知り、北山耕平とともにフライ・コミュニケーションズを設立。斬新でユニークなアイデアと感性で、数多くの作品を企画、編集、執筆する。2009年世界にたった一冊の本をつくる「ニュー・グリーティングブックス」のHPを開設。10年間横浜の小さな森の中で自然とともに暮らし、現在は鎌倉の海辺で閑かな日々を過ごしている。
- Twitter、Facebookもお楽しみください!
-
Follow @haeshii
-
- 地下生活者の幸福 (07/31)
- スケルトン・スモーキング (07/30)
- 虹は何色まで見える? (07/29)
- 激しい雨 (07/28)
- ジョン・レノン "Tell Her Now" (07/26)
- 奇跡の日蝕 (07/25)
- 梅干し (07/24)
- ハートのメッセージ (07/23)
- ダブル・レインボウ (07/22)
- 「戦挙」 (07/21)
-
- January 2016 (1)
- September 2015 (1)
- August 2015 (1)
- May 2015 (1)
- April 2015 (1)
- March 2015 (1)
- January 2015 (1)
- November 2014 (3)
- October 2014 (1)
- September 2014 (2)
- August 2014 (1)
- July 2014 (2)
- June 2014 (2)
- May 2014 (1)
- April 2014 (1)
- March 2014 (1)
- February 2014 (2)
- January 2014 (2)
- December 2013 (3)
- November 2013 (2)
- October 2013 (1)
- September 2013 (2)
- August 2013 (3)
- July 2013 (5)
- June 2013 (3)
- May 2013 (3)
- April 2013 (4)
- March 2013 (4)
- February 2013 (6)
- January 2013 (5)
- December 2012 (4)
- November 2012 (2)
- October 2012 (6)
- September 2012 (4)
- August 2012 (3)
- July 2012 (5)
- June 2012 (3)
- May 2012 (5)
- April 2012 (5)
- March 2012 (4)
- February 2012 (3)
- January 2012 (8)
- December 2011 (7)
- November 2011 (6)
- October 2011 (6)
- September 2011 (4)
- August 2011 (4)
- July 2011 (5)
- June 2011 (4)
- May 2011 (6)
- April 2011 (4)
- March 2011 (6)
- February 2011 (1)
- January 2011 (1)
- December 2010 (7)
- November 2010 (5)
- October 2010 (5)
- September 2010 (6)
- August 2010 (5)
- July 2010 (7)
- June 2010 (8)
- May 2010 (9)
- April 2010 (13)
- March 2010 (14)
- February 2010 (12)
- January 2010 (15)
- December 2009 (17)
- November 2009 (18)
- October 2009 (16)
- September 2009 (12)
- August 2009 (14)
- July 2009 (18)
- June 2009 (13)
- May 2009 (8)
-
- Life (71)
- Kamakura (18)
- Forest (56)
- Jomon An (11)
- Music (9)
- John & Yoko (30)
- Grateful Dead (30)
- Mods (7)
- Books (19)
- Greeting Books (14)
- Art Works (12)
- Good Day Books (8)
- 1000 Winds (26)
- Whales (5)
- Macintosh (7)
- Fly (6)
- Nukes (22)
- Real World (43)
-
- 掌紋
⇒ まり (02/06) - 日本国憲法 前文
⇒ 南向 円乗 (11/19) - 癌細胞たちとの優雅な暮らし
⇒ 紫音 (10/20) - 掌紋
⇒ りお (09/22) - たいせつなお知らせ
⇒ mana (09/19) - たいせつなお知らせ
⇒ 永井守 (09/18) - たいせつなお知らせ
⇒ ballena (09/18) - たいせつなお知らせ
⇒ 松原浩二 (09/18) - All You Need Is
⇒ akiraco (08/27) - 半身浴????
⇒ 長野 敬 (07/28)
- 掌紋
- 南風椎の代表作を紹介します
| 1/2PAGES | 以前の記事を読む >>