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2016.01.17 Sunday

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フリーウェイ

2009.10.31 Saturday

さっきTVの討論番組で「高速道路の無料化」を論じていた。司会者が「アメリカではフリーウェイって言う位で、無料なんでしょ?」と語って、誰も訂正もしなかった。
ごくあたり前のように高額の高速料金を取られている日本ならでは、の間違いだ。誤解している人がほんとうに多い。



フリーウェイというのは「無料道路」という意味ではない。free of signals(信号がない)道路という意味のフリーだ。ごくまれにtoll road(有料道路)はあるけど、それは例外で、高速道路は基本的にどこでも無料なので、あえてわざわざ「無料道路」などと呼ぶ必要もない。

国民の税金で作った道路で国民からまた料金を取るという国が、異常なのだ。
民主党は臆することなく、無料化を進めてほしいね。




蟷螂(カマキリ)

2009.10.29 Thursday




白いテーブルに不審な影が映っていた。窓の外を見ても、はじめは何がいるのかわからなかった。

よく見ると窓ガラスの上の方から蟷螂(カマキリ)が逆さになって、こちらを覗きこんでいた。

10月もそろそろ終わりというのに暖かい日だからね。

蟷螂生森中
倒影還自照

蟷螂は森の中に生じ
影をさかしまにして
また自らを照らす

昔の漢詩を真似て、詩を作りはじめたけどさっぱりあとが続かない、のどかでぽかぽかの小春日和 :-)



ねーちゃんばーちゃん

2009.10.28 Wednesday

秋の午後、土光洋子さんとの会話。


「あの人って、ねーちゃんばーちゃんみたいでしょ」

「何それ。ねーちゃんばーちゃん?」

「知らない? おねーちゃんみたいな、おばーちゃんみたいな人よ」

「知らなかった。でも語感が可愛いから悪い意味じゃないみたいだね」

「悪い意味じゃないわよ。ちょっと年齢不詳の不思議な人」

「・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・」

「ぼくって、にーちゃんじーちゃん?」

「そんな言葉知らないけど、なんかぴったり」

「悪い意味じゃなくて?」

「いい意味で」


 


              ねーちゃんばーちゃん?
島津斉彬の四女、典姫。撮影時の年齢は不明。  
もしご存命なら、今年157才。



『迷子になった鳩』

2009.10.26 Monday

7、8年ぶりに山本将隆さんが来訪。
彼は『迷子になった鳩』(小学館プロダクション、02年)の担当編集者だった。
若くて元気な編集者だった彼が貫禄と風格を漂わせる「プロデューサー」になっていた。桃栗3年、柿8年!

『迷子になった鳩』は原著者との契約が切れて今は入手できない本になっているとか。いい本だったし、ぼくが書いた「訳者あとがき」だけでもこのblogに転載しておこう。


2001年春、アフガニスタンのタリバーン政権がバーミヤンにある古代の巨大石仏を爆破したとき、タイ国の仏教徒たちがタリバーン宛てに印象的な声明を出しました。それはこんな内容のものでした。

「あなたたちがやったことはすべて許します。私たちは仕返しはしません。あなたたちのこれからの幸福を祈ります。もし世界にひとつだけ変わることのない真実があるとすれば、すべてのものは変わっていくのだということを教えてくれたことに感謝します」

ところがそれから半年後、同じタリバーンと目されるテロリストたちが、 ニューヨークにある「世界取引の中心地(ワールドトレード・センター)」を崩壊させたとき、合衆国大統領がとった態度はまったく正反対でした。彼はその日 のうちに軍事報復を宣言し、世界の政治指導者たちも先を競って好戦的な声明を発表しました。いちばん視野が広いと思われる為政者ですら、平和的解決などはじめから、視野の外にあるかのようでした。

「平和の実現をワシントンやクレムリンや北京に期待しないように。平和の実現は、人間ひとりひとりの想像力が、どれだけ具体的に平和を視覚化できるかにかかっている」というアインシュタインの言葉を改めて思い出しました。

難民があふれる世界最貧の国に対して、一日約40億円もかけた狂おしい空爆が開始されたころ、この本『迷子になった鳩』の日本語版出版の準備が始まりました。

旧約聖書の箱舟伝説にある「オリーブの葉をくわえて帰ってきた2番めの鳩」は、平和のシンボルとしてよく知られていますが「帰ってこなかった3番めの鳩」に注目して、その物語を書いたのは20世紀の平和主義作家、ツヴァイクでした。
戦争だらけの地上に、やすらげる場所を求めて今なお飛び続けている鳩。
「どれだけ海を越えれば、白い鳩は砂の中で眠れるのだろう」という反戦歌『風に吹かれて』の一節を思いだします。
作家エリアン・ウィルソンは、ボブ・ディランと同様に、ツヴァイクの物語にインスピレーションを受け、この『迷子になった鳩』を書き上げました。

(中略)

私事になりますが、アフガン空爆と時期を同じくして、ぼくはある理由から 17年間過ごした東京の仕事場を引き払い、横浜の鶴見に引っ越しました。木々に囲まれた丘の上の一角で、まさに「平和とは木の下のシェルターのこと」という箴言そのままの家です。
この仕事場のベランダに「鳥たちの食卓」を作り、集まってくる野鳥たちを眺めながら(美しい二羽の山鳩も食卓の常連です)翻訳作業を進めることができました。


(後略)

           この本に収められたピース・メッセージが
           ひとりでも多くの人のハートに届くことを祈って。

                            2002年3月
                            南風 椎


この本に収められたピース・メッセージのひとつ、ダライ・ラマの言葉。

「もっとも大切な教えは、ふたつのセンテンスですべて言い表せます。
『他の人たちを助けなさい。それができないのなら、
その人たちを傷つけないようにしなさい』」




地層茶碗

2009.10.23 Friday

隣の縄文庵に行こうとしていたら、持っていた茶碗が手からするりと落ちて石段に当たって割れた、という夢を見て飛び起きてしまった。ああ、夢でよかった。
それくらいたいせつにして、愛用している茶碗だ。

3年前だった。縄文庵の陶芸の先生である小沢俊風さんに相談をした。

「地層の景色が好きなんですよ。何億年もかけて土石が積み重なってできたあの地層のような模様の茶碗が作れませんかね? グランドキャニオンにお茶を満たして飲み干すみたいなことをやってみたいんです」

種類の違う色粘土を重ねたら、焼いたときに割れちゃうでしょうという返事だった。
ところが数週間して俊風さんが「あれ、やってみましょうよ」と言ってきてくれた。
なんでも機(はた)織りの仕事を見ていて「いい方法」が思いついたとかで、その道具も作ってきてくれていた。30色もの色粘土も用意してくれた。

俊風さんが独自に考案した手法なので、具体的なやり方はここには書かないでおこう。
ともかく彼の画期的な方法によって、この地層茶碗は完成した。
窯変で予測もしなかったサイケデリックな色彩と模様が生まれた。偶然できた釉薬の滴り具合も、指先に心地いい。

以来、大のお気に入りの茶碗になった。
毎日の生活で一番使っている道具は、パソコンのキーボードでも剪定バサミでもなく、この高さ13センチの地層茶碗だ。家の中にいるときはいつも手許にある。
たった今も。



掌紋

2009.10.20 Tuesday

                
ダ・ヴィンチの絵が新発見されたというニュースが流れている。絵の中に残された指紋がダ・ヴィンチのものと酷似しているのが決め手になっているとか。

このニュースを聞いて思い出したことがあるので、書いておきたい。
ぼくの両の手のひらには、指紋のような渦巻きがある。掌紋と言うらしい。
写真をご覧いただきたい。
 

ぼくは占いなるものを信じてない。
しかし一度だけ20代のころ、友人たちと飲んだ帰りに渋谷のセンター街で冗談半分で手相見の前に座ったことがある。手相見のおじさんははじめ「運命線が長いね」みたいな普通の占いをしていたが、最後になって「おっ、掌紋がある!」と声を上げた。
彼によると掌紋があるのは何十万人にひとりなのだそうだ。で、ぼくと同じに上向きに開いている掌紋をもつ人と出会えば、一緒に歴史に残る偉業が成し遂げられる。逆に下向きの掌紋をもつ人と出会うと、歴史に残る悪事をしでかす、と彼は言った。

気になるのでその後しばらくは会う人ごとに手のひらを見せてもらったが、それらしい人には出会えなかったので、すっかり忘れていた。

数年前にそのことを思い出してmixiに書いてみた。
「自分にもある」という人と「ありそうな気がする」という人から書き込みがあったが、その後お会いしていないので、確認はとれていない。
同じとき別の女性が「お釈迦さまは足の裏に渦巻きがあったんですよ」と教えてくれた。
見てみたら、ぼくの足の裏にも渦巻きがあった。

世の中には手や足に渦巻きができやすい体質の人がいて、ぼくはそのひとりにすぎないと思う。でもやっぱり気になるので、blogを始めたのを機にもう一度呼びかけてみよう。
これを読んでくれている方たちの中で、手のひらに渦巻きがある人がいたら、ぜひご一報ください。上向きであれ、下向きであれ :-)








一休の風

2009.10.18 Sunday

静かな夜に風が吹くと、バラバラバラバラという音が森に響く。
ドングリが落ちてくる音だ。耳を澄ませていると、風の通る道が確認できる。



一休和尚は長い放浪の末、77才で盲目の旅芸人、森女(モリ)と出会う。
モリとの激しい愛と性の日々は、多くの漢詩に残されている。
その一部を紹介したい。


美しいモリ
彼女の庭にいると
私は夢の中の放浪者だ


せせらぎの
まじりけない香りで
私の口は
いっぱいに満たされる


夜ごとモリは
私と歌う
布団にくるまり
二羽のオシドリのような
みずみずしいおしゃべり


三たび繰り返す人生を
メイクラブし続ける
ずっと
永遠の十倍でも


夜吹く
一陣の秋風は
千の世紀を
吹きぬけていく


----- 一休『狂雲集』より(訳・構成/南風椎)



600年前に一休が聞いた秋の風が、真夜中すぎにこの森のドングリをたくさん落として、またどこか遠い未来に吹きぬけていった。




憧れのヒッチハイカーズ

2009.10.15 Thursday

2週間がたった。New Greeting Booksのサイトを開けてから、半月だ。
1年半か2年近く前に話が始まって、ようやくここまできて、ゆったりとでも動き始めたのがうれしくてしょうがない。

苦労話は苦手なので日記に書いたことはなかったが、実は大変な日々だったのだ。
何しろ参考にできるような前例がない仕事だったから。
ある程度予測していたトラブルは全部起きたし、予測してなかったトラブルも次々と起きた。こんなこと、もうやめてしまおうと考えたのも一度や二度じゃなかった。

それでもここまでこれたのは、支えて、励まして、応援して、力を貸してくれたたくさんの人たちのおかげだった。みなさんにお礼の手紙を書かなければと思いながら、まだ一通も出していない。
ただひたすら頭からつま先まで「感無量」状態の2週間だった。

まったく動いていないものを動かし始めるのって大変なエネルギーを必要とすることなんだ、ということを学んだ日々でもあった。



この季節、散歩して帰ってくると、ズボンに草の種がいっぱいくっついている。
草むらにさり気なくいて、そばを何かが動くと飛び乗ってきて、しがみつく連中。小さなヒッチハイカーたちだ。
動いてないものを動かすのは大変だけど、動いているものに乗っかっちゃうのはラクでいい。
「頭がいいね、キミたちは」
と、ズボンの草の種たちに話しかけたりしている :-)




お詫びします。

2009.10.13 Tuesday

10月1日にNew Greeting Booksのサイトをオープンしました。その後「定価がいくらなのかわからない」という問い合わせが相次ぎました。わかりにくくて申し訳ありませんでした。
現在は「作品のご紹介」のページに定価が表示されています。
以前サイトを訪ねた方でまた表示されないという方は、何度か訪問を繰り返していただけると表示されるようになるそうです。

定価は2900円(送料、税込み)です。
この本には定価が印刷されていません。「贈り物」に値札をつけたくなかったからです。ブックデザイナー泣かせだった「バーコード」もありません。書店では販売しない本だからです。
注文を受けてから一冊ずつ印刷製本する本なので、お届けまでに10日ほどかかります。初日に注文された方々から10日で受け取ったという連絡があり、ひと安心しています。
定価がわからないまま「購入する」ボタンをクリックしてくださった方たちだったこともわかり、感謝しきりです。

ご心配をおかけし、ご迷惑をおかけしたことをお詫びします。

    

『Ai ジョン・レノンが見た日本』(ちくま文庫)より



ヨーダの言葉

2009.10.12 Monday

 
昨日の日曜日、ノブ・ディランこと写真家の清水伸充さんがやってきた。
彼の写真は何十年もの間さまざまなメディアで目にしてきた。昨日見せてくれた写真は清水さんの家のベランダの巣箱で暮らすシジュウカラなど、小鳥たちの写真だった。
長い年月をかけて撮られたもので、小鳥たちと十分なコミュニケーションがとれている人にしか許されない感動的で美しい写真だった。
ここでお見せできないのが残念だけど、いつかは本になって世の中に出ていくと思う。
ノブ・ディランのblog周辺を丹念に探せば、何か見つかるかも知れない。

帰り際に彼はわが家の玄関に暮らしているヨーダの写真を撮り、メールで送ってくれた。
ということで、今日の日記はヨーダの教えのひとつを紹介したい。

"Try not. Do. There's no try."

「トライするな。やれ。トライなどというものはない」

(photo by Nob D)

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プロフィール
本名・長野眞
フライ・コミュニケーションズ代表

1948年生まれ。1971年上智大学を卒業後、新聞記者、コピーライターの仕事を経験し、シカゴに留学。帰国後「日本国憲法」(小学館)を共同編集したことで本を作る楽しさを知り、北山耕平とともにフライ・コミュニケーションズを設立。斬新でユニークなアイデアと感性で、数多くの作品を企画、編集、執筆する。2009年世界にたった一冊の本をつくる「ニュー・グリーティングブックス」のHPを開設。10年間横浜の小さな森の中で自然とともに暮らし、現在は鎌倉の海辺で閑かな日々を過ごしている。
NEW GREETING BOOKS

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ご存知のグリーティングブックスが
ニュー・グリーティングブックスとして、生まれ変わります。
こんどは、世界に一冊だけの本。
本に新しい生命を吹き込むのは、
あなたです。

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