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オオイヌノフグリ
2010.03.30 Tuesday
アンズが咲き、モモが咲き、サクラも咲いた。
木の上ばかりを眺めながら歩いているとつい見逃してしまうし、実際踏みつぶしてしまったりするのだけど、足元にもいろんな野草が小さな花を咲かせている。
オオイヌノフグリもそのひとつだ。紫色の非常に小さな花がそこらじゅうに咲いている。
オオイヌノフグリ。牧野富太郎先生の命名だ。毛の生えた球状の二個の果実をつけるところからこんな名前にしたらしい。たぶん冗談半分だったのだろうが「ふぐり」という言葉もほとんど死語化しているので、なんの抵抗も受けずにこの呼称が流通している。
これほど微小な花なのだから、オオイヌノオオフグリとでも命名した方がもっと可愛かったかも知れない。可愛くないか :-)
SAKURA
2010.03.27 Saturday
冷たい雨が続いていたので、ずっとつぼみのままだった。
この森にあるソメイヨシノの老木だ。
昨日あたりから晴れてきたのでそろそろだろうと見に行ったら、ほころびだしていた。
さくらさくら
弥生の空は見渡す限り
霞か雲か匂いぞ出づる
「さ」「や」「か」と、きれいな頭韻のある歌だったんだね。
昔の日本では春の花見といえば「梅見」のことだったそうだ。それが9世紀末から10世紀はじめに桜革命が起きて、以来1000年間、桜の時代が続いているとか。
ぼくは個人的には先に春の到来を告げてくれる梅の方が、胸がときめく。
そのせいか、桜の木の下にゴザを敷いて酒食をするという宴に参加した記憶がない。
桜が咲くのはうれしいけど、どんちゃん騒ぎするほどにはうれしくない :-)
1000の風 on 週刊新潮
2010.03.25 Thursday
週刊新潮の取材がくるよ、と新聞社の友人に話したら、
「新井満さんは業界で政治力があるから、載らないかもなあ」と言われた。
ふたりの人が週刊新潮から来訪されたとき、最初からその話になった。
「うち(新潮社)は新井さんの本を出してないから大丈夫でしょう」
取材には誠意をもって応えられたと思う。
ぼくのブログ連載は本名も経歴も顔写真も出して、死んだ両親の写真まで出して書いたことですから、書いたことすべてに責任をとります、と話した。
その週刊新潮が今日発売になった。
「千の風になって」で儲けた「新井満」が怒られる商標騒動、という1ページの記事だ。
いろいろとご苦労があったとは伝え聞いたけど、とりあえず誌面に掲載されてよかった。
お疲れさまでした。
これでネットに接続していない世代にも少し伝わってくれるといいな。
『夢をかたちにしてください』
2010.03.21 Sunday
『夢をかたちにしてください』(96年1月)を出版した直後、当時エイベックスの会長だった依田巽さんの訪問を受けた。どこかでこの本を読んで、気に入ってくれたらしい。
依田さんはぼくの事務所に入ってくるなり、そこにあったヨーダの人形の前で立ち止まり、顔をのぞきこんだ。写真を撮っておけばよかった。ヨーダと依田さんはそっくりだった。
依田さんは滞米時代にルーカスフィルム・アートに友人がいたとかで、ヨーダのモデルとしても知られている人だった。
依田さんは『夢をかたちにしてください』で使った「雲の絵」を大小10数点、画家の萩原敏訓さんから購入してくれた。しばらくして別件でエイベックス社を訪ねたら「雲の絵」は受付から会長室までの廊下にズラリと展示されていた。
エイベックスはもう退社されたと聞いたけど、あの絵は今どこにあるのだろう。
『夢をかたちにしてください』はニュー・グリーティングブックスのサイトで全文を読むことができます。
依田さんはぼくの事務所に入ってくるなり、そこにあったヨーダの人形の前で立ち止まり、顔をのぞきこんだ。写真を撮っておけばよかった。ヨーダと依田さんはそっくりだった。
依田さんは滞米時代にルーカスフィルム・アートに友人がいたとかで、ヨーダのモデルとしても知られている人だった。
依田さんは『夢をかたちにしてください』で使った「雲の絵」を大小10数点、画家の萩原敏訓さんから購入してくれた。しばらくして別件でエイベックス社を訪ねたら「雲の絵」は受付から会長室までの廊下にズラリと展示されていた。
エイベックスはもう退社されたと聞いたけど、あの絵は今どこにあるのだろう。
『夢をかたちにしてください』はニュー・グリーティングブックスのサイトで全文を読むことができます。
JB(シュガー・マグノリアの悲劇)
2010.03.17 Wednesday
窓の外の白木蓮が咲きはじめた。白木蓮は正しくはホワイト・マグノリアなんだろうけど、ぼくは「シュガー・マグノリア」と呼んでいる。愛するグレイトフル・デッドにそんなタイトルの歌があるからだ。写真を撮ったあと、当然歌を聴きたくなった。
わが家の古いジュークボックス(JB)にアナログのドーナツ盤が入っているので、聴いた。デッドには珍しいほど底抜けに陽気で楽天的なロックンロールだ。いいなあ。
曲が終わって機械がちゃんとレコード盤を戻すかどうかJBのふたを開けて見ていたら、内側の底に紙のゴミが落ちているのが見えた。それが悲劇のはじまりだった。
左手を伸ばして中に入れたら、回転する機械にジャケットの袖をはさまれてしまったのだ。ぐいぐいと手をひきずりこまれる。まずい、大事なJBが壊れてしまう。頭をJBに突っ込んだ不自由な体勢で右手を回し、なんとか電源をOFFにした。
その後苦労してジャケットを脱ぎ、はさまれた袖を慎重に取り外した。
そして電源をONにしたのだけど、JBはまったく動かない。壊れた。
メカに強くないぼくは長い人生経験から、自分でドライバーを持ってきて直そうなどとは考えない。悲劇が大惨事になるだけだからね。静かにJBのふたを閉めた。
今月末には編集者の岡本氏と写真家の長谷部氏が遊びにくることになっている。
メカに強い彼らに任せることにしよう。お願いします。
もしこの日記を読んでいてくれたら、岡本氏、長谷部氏、心の準備を。
わが家の古いジュークボックス(JB)にアナログのドーナツ盤が入っているので、聴いた。デッドには珍しいほど底抜けに陽気で楽天的なロックンロールだ。いいなあ。
曲が終わって機械がちゃんとレコード盤を戻すかどうかJBのふたを開けて見ていたら、内側の底に紙のゴミが落ちているのが見えた。それが悲劇のはじまりだった。
左手を伸ばして中に入れたら、回転する機械にジャケットの袖をはさまれてしまったのだ。ぐいぐいと手をひきずりこまれる。まずい、大事なJBが壊れてしまう。頭をJBに突っ込んだ不自由な体勢で右手を回し、なんとか電源をOFFにした。
その後苦労してジャケットを脱ぎ、はさまれた袖を慎重に取り外した。
そして電源をONにしたのだけど、JBはまったく動かない。壊れた。
メカに強くないぼくは長い人生経験から、自分でドライバーを持ってきて直そうなどとは考えない。悲劇が大惨事になるだけだからね。静かにJBのふたを閉めた。
今月末には編集者の岡本氏と写真家の長谷部氏が遊びにくることになっている。
メカに強い彼らに任せることにしよう。お願いします。
もしこの日記を読んでいてくれたら、岡本氏、長谷部氏、心の準備を。
たくさんの風 たくさんの人
2010.03.16 Tuesday
清水伸充(ノブ・ディラン)から続々と届くので、今日も彼の写真で。
たくさんの人が『1000の風』を読みにきてくれている、ということかな?
しかしほんとうに多くの人たちが『1000の風』を読みにきてくれた。
昨日までの一週間の、このブログへのアクセス数を記録しておこう。
こんなことはもう二度と起きないだろうから :-)
3/8(月) 1011
3/9(火) 608
3/10(水) 81411
3/11(木) 128661
3/12(金) 73629
3/13(土) 17172
3/14(日) 12788
3/15(月) 14187
Twitterでささやきが始まり、広がり続けた3日間をピークにその後は平穏を取り戻しつつあるけど、それでも以前に比べるとケタが違う。
あちこちで「自分バージョンの『1000の風』を書きたい」と語ってくれている人たちがいるのがうれしい。たくさんの種類の『1000の風』が吹きぬけてくれる日がくるのを鶴首して待っています。
(続く)
たくさんの人が『1000の風』を読みにきてくれている、ということかな?
しかしほんとうに多くの人たちが『1000の風』を読みにきてくれた。
昨日までの一週間の、このブログへのアクセス数を記録しておこう。
こんなことはもう二度と起きないだろうから :-)
3/8(月) 1011
3/9(火) 608
3/10(水) 81411
3/11(木) 128661
3/12(金) 73629
3/13(土) 17172
3/14(日) 12788
3/15(月) 14187
Twitterでささやきが始まり、広がり続けた3日間をピークにその後は平穏を取り戻しつつあるけど、それでも以前に比べるとケタが違う。
あちこちで「自分バージョンの『1000の風』を書きたい」と語ってくれている人たちがいるのがうれしい。たくさんの種類の『1000の風』が吹きぬけてくれる日がくるのを鶴首して待っています。
(続く)
Copyleft
2010.03.14 Sunday
おととい『1000の風』の訳詩を公開しました。
クレジットを「Copyleft by Hae Shii」としましたが、Copyleftとは何かについてはグーグルなどでお調べください。
ぼくの訳詩についてはおととい2010年3月12日をもって、どなたでもいくらでも改変して発表することが自由になったということです。
新井満さんひとりに利用されている現状は好ましくないので「みんなのもの」にしてくれると幸いです。
あなたの感性、あなたの思いをこめて新しい『1000の風』を書いて発表してください。
できればぼくの翻訳より美しい詩になることを願います。
できればどこかに「原訳者 南風椎」と表記してくださるとうれしいです。
写真はふたたび清水伸充の作品。
あなたの『1000の風』が風にのって、多くの人たちに届きますように。
訳詩をCopyleft で公開することをアドバイスしてくれた友人、北山耕平に感謝します。
(続く)
クレジットを「Copyleft by Hae Shii」としましたが、Copyleftとは何かについてはグーグルなどでお調べください。
ぼくの訳詩についてはおととい2010年3月12日をもって、どなたでもいくらでも改変して発表することが自由になったということです。
新井満さんひとりに利用されている現状は好ましくないので「みんなのもの」にしてくれると幸いです。
あなたの感性、あなたの思いをこめて新しい『1000の風』を書いて発表してください。
できればぼくの翻訳より美しい詩になることを願います。
できればどこかに「原訳者 南風椎」と表記してくださるとうれしいです。
写真はふたたび清水伸充の作品。
あなたの『1000の風』が風にのって、多くの人たちに届きますように。
訳詩をCopyleft で公開することをアドバイスしてくれた友人、北山耕平に感謝します。
(続く)
『1000の風』(訳 南風椎)
2010.03.12 Friday
『1000の風』
訳 南風椎
私の墓石の前に立って
涙を流さないでください。
私はそこにはいません。
眠ってなんかいません。
私は1000の風になって
吹きぬけています。
私はダイアモンドのように
雪の上で輝いています。
私は陽の光になって
熟した穀物にふりそそいでいます。
秋には
やさしい雨になります。
朝の静けさのなかで
あなたが目ざめるとき
私はすばやい流れとなって
駆けあがり
鳥たちを
空でくるくる舞わせています。
夜は星になり、
私は、そっと光っています。
どうか、その墓石の前で
泣かないでください。
私はそこにはいません。
私は死んでないのです。
Copyleft by Hae Shii 1995-2010
引用なさる場合はタイトルも含めて、全文を引用ください。
訳 南風椎
私の墓石の前に立って
涙を流さないでください。
私はそこにはいません。
眠ってなんかいません。
私は1000の風になって
吹きぬけています。
私はダイアモンドのように
雪の上で輝いています。
私は陽の光になって
熟した穀物にふりそそいでいます。
秋には
やさしい雨になります。
朝の静けさのなかで
あなたが目ざめるとき
私はすばやい流れとなって
駆けあがり
鳥たちを
空でくるくる舞わせています。
夜は星になり、
私は、そっと光っています。
どうか、その墓石の前で
泣かないでください。
私はそこにはいません。
私は死んでないのです。
Copyleft by Hae Shii 1995-2010
引用なさる場合はタイトルも含めて、全文を引用ください。
実に多くの方たちの訪問があるので『1000の風』(三五館 1995年6月16日初版発行)の翻訳文を読んでいただくことにしました。
たくさんの素敵なコメントやメールをいただきながら、ひとりひとりにはご返事できずにいるので、ささやかなお礼のつもりです。
写真は本に使用されているものではなく、家の窓からの眺めをぼくが撮ったものです。
(続く)
たくさんの素敵なコメントやメールをいただきながら、ひとりひとりにはご返事できずにいるので、ささやかなお礼のつもりです。
写真は本に使用されているものではなく、家の窓からの眺めをぼくが撮ったものです。
(続く)
『1000の風』と100年の夢
2010.03.11 Thursday
Twitterの威力に目を見開いている。
昨日たった一日でこのブログへのアクセス数が8万を超えて驚いていたのに、今日はまたそれを超えそうな勢いなのだ。
せっかく立ち寄ってくださったみなさんに、いい絵をご覧いただきたい。
誰でも知っているけど、ぼくがとても好きな絵です。
アンリ・ルソーの『夢』
ルソーがこの絵を描いたのは、1910年。彼はその年に亡くなって、1000の風になった。
今年でちょうど100年になる。
昨日たった一日でこのブログへのアクセス数が8万を超えて驚いていたのに、今日はまたそれを超えそうな勢いなのだ。
せっかく立ち寄ってくださったみなさんに、いい絵をご覧いただきたい。
誰でも知っているけど、ぼくがとても好きな絵です。
アンリ・ルソーの『夢』
ルソーがこの絵を描いたのは、1910年。彼はその年に亡くなって、1000の風になった。
今年でちょうど100年になる。
A Thousand Winds
2010.03.08 Monday
カメラマンの清水伸充さんから美しい写真が届いた。
タイトルは「ヨーダの教え」とか。
ぼくの本『1000の風』を指さして、ヨーダが、
「これが本物だよ」と語っているのだそうだ。
ノブ・ディラン、そしてヨーダに感謝します。
美しい励ましをありがとう。
(続く)
タイトルは「ヨーダの教え」とか。
ぼくの本『1000の風』を指さして、ヨーダが、
「これが本物だよ」と語っているのだそうだ。
ノブ・ディラン、そしてヨーダに感謝します。
美しい励ましをありがとう。
(続く)
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本名・長野眞
フライ・コミュニケーションズ代表
1948年生まれ。1971年上智大学を卒業後、新聞記者、コピーライターの仕事を経験し、シカゴに留学。帰国後「日本国憲法」(小学館)を共同編集したことで本を作る楽しさを知り、北山耕平とともにフライ・コミュニケーションズを設立。斬新でユニークなアイデアと感性で、数多くの作品を企画、編集、執筆する。2009年世界にたった一冊の本をつくる「ニュー・グリーティングブックス」のHPを開設。10年間横浜の小さな森の中で自然とともに暮らし、現在は鎌倉の海辺で閑かな日々を過ごしている。
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