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『瞑想750年』
2010.06.27 Sunday
ほんとうにひさしぶりに本を出した。
建立750年になる鎌倉の大仏にこの本を捧げたい。結跏趺坐のポーズを崩すことなく750年にもわたって瞑想を続けている阿弥陀如来に敬意を表したかった。
本のカタチにするまでには何年もかかった。
鳥たちの目には大仏がどう見えているのかを知りたくて、ラジコン・ヘリにカメラを積んで空撮をした。雪の日には鎌倉在住の写真家に撮影を頼んだ。桜が咲く日にも会いにでかけた。
本は15点の大仏写真で構成した。
そして詩仙・李白の漢詩『独坐敬亭山』を現代語訳した。
敬亭山はあえて「山(mountain)」とだけ訳した。こうすれば敬亭山がどこにあるのかもよく知らない(ぼくのような)人でも、この壮大な瞑想詩を自分のものにして人生を一緒に生きていけると思ったからだ。
トミー・スナイダーとデーブ・スペクターの協力を得て、英訳した詩も併記した。
95年に『1000の風』を出してくれた三五館から出る。
いい本が作れたと思う。
カバー写真/江口征男
鳥瞰写真/オフィス・タチバナ
幕末の写真」/PPS
返事あり
2010.06.23 Wednesday
先週、ノー・リプライという日記で学校図書社から返事がもらえないことを書きましたが、今日同社からメールが届きました。
現在の本は「見本本」という段階だそうで、これから文部省に申請し必要な訂正を行ない、来年の3月から4月にかけて「供給本」が作られるとか。
「見本本」はまだ一般には見せられないのだそうです。
返事が遅れたことについてもていねいなお詫びがありました。
写真は今日、庭で雨に打たれていた額紫陽花(ガクアジサイ)。
日本原産の花で、よく知られる球状の紫陽花はこれを品種改良したもの。
ぼくはこのオリジナル紫陽花がいちばん好きだ。
ちりめん山椒
2010.06.22 Tuesday
ぼくはずっと「ちりめんじゃこ」(関東で言う「しらす干し」)が食べられなかった。
小さな白い魚の死体が積まれていて、黒い目が点々としているのを見ると(ぼくのようなつまらない男のたった一度の食事に、こんなにたくさんの命を捧げてもらっていいのだろうか)などと思い悩んでしまい、どうしても箸がすすまなかった。
いつか縄文庵の囲炉裏端でちりめんじゃこが出てきたときも、そんなふうなことを言って辞退した。すると年長の先輩から「なんだかセレブのお嬢様みたいなこと言ってるよ」とからかわれた。ムッとしたので「じゃあ食べますよ」と醤油をかけてかっこんだ。
それが口惜しいほどうまかった。
ちょうどその頃「京都で食べたちりめん山椒の絶品だったこと」という話を複数の人から聞いた。もちろんぼくは食べたことがなかったが、ちりめんの味をおぼえたばかりだし、早速作ってみた。と言ってもまったくの自己流。この森で採った実山椒で作った佃煮があったので、それにちりめんを混ぜこんだだけのものだった。
けっこういけたが、たぶんちりめん山椒とはほど遠いものだった。
その後も本物を食べるチャンスはなかった。今年も実山椒の季節になり、ネットでレシピを調べてはじめから作ってみることにした。
意外と簡単だったし、ぼくにしてはうまくやれた。
陰干しをしながらつまんでみたら、悪くなかった。
美味なだけじゃなく、ちりめん山椒には薬用効果があると思う。
ともすればハイパーになり過ぎる山椒の効果を、ちりめんじゃこがうまくなだめて「とても穏やかな元気」を生み出してくれる食べ物だ。
ちりめん山椒には、そんな薬効がある。ぼくの頭と体がそう言っている :-)
ノー・リプライ
2010.06.17 Thursday
『1000の風』のその後を気にかけてくださっている方たちへ。
『1000の風』と『千の風になって』 8(1月29日)の最後にぼくはこう書きました。
「何が起きようと(何も起きなくても)このブログですべて報告します」
というわけで今日の日記は「何も起きていない」ことの、ご報告です :-)
「自分のホームページで反論する」と語っていた新井満さんの反論は、まだどこにも見つけられません。タンゴはひとりじゃ踊れない(4月24日)でTwitter上での対談を申し込みましたが、その返事もありません。
「約束を守っていない」新井さんが小学校の教科書に載っている、との情報で版元の学校図書社のホームページにある「お問い合わせ」のページから「読ませてください」とていねいにお願いをしたのですが、なぜかこの出版社からも何の返事もありません。
教科書は一度採用されたら何年にもわたって継続使用されると聞いています。あの新井さんが数多くの小学生たちに「いのちについて」何を語っているのか読みたかったのに。
返事なし、返事なし :-)
こんなことは前にも一度起きた
家まで訪ねていったのに
返事がない
家にはいないって言われたけど
君が窓からこっちをのぞいていたのが見えたんだ
ビートルズ『ノー・リプライ』
写真は『ノー・リプライ』のジャケット写真。
ネット上で拾ったので、撮影者はわからない。
ビートルズの日本盤シングルジャケットのデザインは、どれも秀逸だったね。
梅雨
2010.06.14 Monday
人気ブロガーのkikkoさんが書いていた。
「梅雨は黴(かび)が生えるのでもともとは黴雨(ばいう)だったのだけど、字面が悪いので梅雨(ばいう)にした」のだそうだ。
びっくりした。ほんとかなあ。
この森にきてからぼくはてっきり、梅干しを作る時期だから「梅雨」と呼んでいるのだとばかり思ってきたからだ。
昨日の日曜日、梅雨入り前に例年のように梅の実を収穫した。(写真)
今年は7,8キロという少ない収穫だった。
この梅は一個ずつヘタをとって焼酎で拭き、容器に入れて、塩漬けにする。
塩の量は(縄文庵方式では)梅の重さの10%だ。
雨が降る時期はずっと重しの下で塩漬けにする。
そして梅雨明けでカラリと晴れた日に、天日干しにする。
梅干しは毎年、そうやって作っている。
だからこそ今の季節を「梅雨」と呼ぶのだと思っていた。
黴雨か梅雨か。
どっちが正しいのだろう?
アシュレイ・ブリリアント
2010.06.11 Friday
気がついたら一週間、日記を書いてなかった。
ひさしぶりにTwitterをやっていたのだ。
アシュレイ・ブリリアントの本が出てきたので、懐しく読んだ。80,90年代あたりのぼくの愛読書だった。彼のメッセージをプリントしたTシャツを着ていたこともあった。
アシュレイ・ブリリアント。
西海岸の賢人。ブリリアントな思想家。長く思考し、短く書く天才。笑わせてくれて、考えこませてくれる人。Tシャツ哲学者。サイバー・ヒッピー。
本を読んでいて、これってTwitterにぴったりじゃん、と思ったのだ。
世界各国で翻訳されているが、たしか日本ではまだ翻訳本が出ていないはずなので、彼の言葉を訳してアップロードしてみた。
無許可で訳したけど膨大にある彼のメッセージのうち、ほんの10数個を無断で翻訳するくらい、ブリリアント先生は許してくれると思う。
Twitterに書いたもの(プラス・アルファ)をここにも再録しておこう。
「私を元気づけないでほしい。
ネガティブな気持ちだけが、私を前進させているのだから」
「子供のころ、あんな大人になってはいけないよ、
と言われたような、そんな大人になってしまった」
「私がほしいのはただ暖かいベッドと優しい言葉と、
そして無限の権力」
「幸運というのはいったいどこに貯蔵されているのだろう。
そしてその発売や流通は
どうしてこんなに不規則なんだろう」
「私はまだ未来への準備ができていない。
しかし幸運なことに未来はいつまでもやってこない」
「夜12時になると、
今日が昨日になると同時に今日は明日になる。
いったいどうなってるんだ?」
「いつになったらあなたは自由になって、
ぼくの所有物になってくれるの?」
「あなたはあきらかにもう一押しを必要としている。
でもどうすれば
あなたをぼくの方に押すことができるのだろう?」
「ぼくはあなたの内面的な美しさに、
すっかりだまされた」
「幸せとは、不幸を分け合える人がいること」
「幸せじゃないか。
ぼくたちふたりはお互いに学ぶものをたくさん持っている。
他の誰もぼくたちふたりから何も学びたがってないのに」
「私は自分について何も知らない。
その分野では権威とみなされているのだろうけど」
「人生はとても深い。
でも私はなるべく浅いところにいたい」
「誰が何と言おうと私たちは知っている。
楽しいことは時間の無駄じゃない」
オタマジャクシがカエルになるまで
2010.06.04 Friday
世界的にはヒキガエル(toad)は絶滅の危機にあるらしい。
この森では、数はわからないがいくらかのヒキガエルが生き延びている。
春には池の中で雌雄が交尾をし、しばらくするとゼリー状の長い帯のような卵が池に浮かぶ。そしてまたしばらくすると、オタマジャクシが泳ぎはじめる。池を埋めるほど無数のオタマジャクシを見ることもある。
その多くは足や手が出る前に死んでしまうか、行方不明になる。ヘビや鳥など環境からの攻撃にやられてしまうのだ。幸運にも手足が出たオタマジャクシも、池のそばの石をよじ登るときに太陽の光で干上がってしまったりする。
オタマジャクシからカエルになれるのは、ごくごくごく僅かだ。
この季節、池のオタマジャクシを見ながら彼らが成長してカエルになるのを応援はしているけど、実際は何もしてやることはできない。
今日、菅直人が日本の総理大臣になった。
彼はぼくよりいくつか年上だがほぼ同世代だし、若い頃から気になる存在だった。
数多くの攻撃や苦難を受けても乗り越えていく姿には、感嘆してきた。
ひとりのベ平連の活動家がひとりの総理大臣になるというのは、オタマジャクシがカエルになるのと同じくらい大変なことなんだね。
菅直人を長い目で応援していきたい。
(ぼくが日本の総理大臣を応援するなんて、はじめてのことだ)
コウモリが幸福を連れて
2010.06.01 Tuesday
窓に網戸を入れたとたん、おとといの昼間、コウモリが一匹網戸につかまっているのを見つけた。後足の爪を網にひっかけて、まるまって逆さになり、眠っているようだった。頭の先から後足まで6,7センチの小さなコウモリだ。
夕暮れ時にコウモリの群れが低空を飛び回っているのは何度も見たことがあるけど、こんな近くで見たのははじめてだった。
夜になったら、いなくなっていた。何かの事情で群れからはぐれたコウモリがたまたま網戸につかまって睡眠をとっていたのだろうと思った。
驚いたのは翌日の昼間もまた、コウモリが同じ網戸につかまっていたのだ。
写真を撮っておくことにした。
うっかりフラッシュを光らせてしまい、びっくりしたのか片方の翼を拡げた。
ごめんごめん。安眠を妨害しちゃったね。
しかしコウモリは片翼を開いたまま、眠っていた。よほど眠いのだね。
また夜になるといなくなり、3日めの今日はやってこなかった。
コウモリは蝙蝠と書く。
蝠は福と同音異字なので、中国では幸福をもたらすものと言われている。
グッドラックなのだ。
あのコウモリ君が2日にわたってぼくにどんな幸福をもたらしてくれたのかは、まだまったくわからない。
でもこのブログを読んでくれている人たちにも、もしかしたら幸福のおすそわけができるかも知れないので、写真を公開しておこう :-)
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本名・長野眞
フライ・コミュニケーションズ代表
1948年生まれ。1971年上智大学を卒業後、新聞記者、コピーライターの仕事を経験し、シカゴに留学。帰国後「日本国憲法」(小学館)を共同編集したことで本を作る楽しさを知り、北山耕平とともにフライ・コミュニケーションズを設立。斬新でユニークなアイデアと感性で、数多くの作品を企画、編集、執筆する。2009年世界にたった一冊の本をつくる「ニュー・グリーティングブックス」のHPを開設。10年間横浜の小さな森の中で自然とともに暮らし、現在は鎌倉の海辺で閑かな日々を過ごしている。
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