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スマイル スマイル スマイル
2011.03.28 Monday
やることが何もなかったら
スマイル スマイル スマイル
Nothing left to do
but smile smile smile
----- Grateful Dead "He's Gone"
グレイトフル・デッドはある時、当時のマネージャーに全財産を持ち逃げされ、バンド自体が倒産の危機に瀕した。デッドがやったことは "He's Gone" というとてつもなく美しくて優雅な歌を作り、それを歌い続けたことだった。
これは2001年のお正月に、わがフライ・コミュニケーションズが出した年賀状。
千年紀の変わり目という重要な年に、フライが出したメッセージは、
「スマイル・マークがこんなに長く微笑み続けている理由は、もしかしたら彼は大口を開けて笑うと、歯並びの悪さがバレてしまうからではないのだろうか?」
という問題提起だった。
:-) :-) :-)
沈黙の春?
2011.03.18 Friday
梅が咲き競い、椿や木蓮などがほころび始めるこの季節は、毎年シジュウカラやメジロが木の枝を飛び交い、チュンチュンチーチーという鳴き声があふれる頃だからだ。
ちょうどその日のニュースで放射線量が川崎で通常の6倍、横須賀で9倍測定された、と言っていた。ここ横浜も同じようなものなのだろう。
テレビで「専門家」が、とても微量なので人体に及ぼす影響はまったくありません、と語っているのを聞いてギョッとした。人体にはさしあたって無害でも、小さな鳥たちへの影響はどうなんだろう?
農薬汚染で鳥が鳴かなくなった春を書いたレイチェル・カーソンの名作『沈黙の春』を思い出した。
その後3日間、窓の外を注意して見てきた。
カラスやキジバト、ヒヨドリなどの比較的大型の鳥たちは数は少ないけど見かけた。でも小さな鳥たちはまったく見かけないし、声も聞こえない。
日本が黙示録の世界にいるような大混乱の今、こんなことを日記に書いてことさら不安を煽るようなことをしてはいけない、と自重してきたのだけど、4日めの今日はさすがに書いておくことにした。もしかしたらこれは「炭坑のカナリア」のようなメッセージかもしれないと思ったからだ。この日記を読んでくれている人たちで身近に小さな鳥たちがいて、その様子を教えてくれるかもしれないとも思ったからだ。
今日の日記はあくまでこの小さな森でこの数日間に起きている話にすぎない、ということだけは忘れないでください。
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追記 3/19/11
なべさん、ボケ子ちゃんのコメントで赤城山、世田谷に小鳥がいることがわかり、mixiへのコメントでも東京、葉山では普通に小鳥がいるとわかりました。
この森では今日も見かけないのですが、何か違う理由で見かけなくなったのだと思います。お騒がせしてすみませんでした。
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追追記 3/25/11
今朝、白椿の木でメジロが飛び回っているのを見かけました。たった一羽だけですが、この森で小鳥を見たのは実に10日ぶり。少しだけ気持ちが和みました。
しかし鳥の少ない春です。
ニューヨーカー誌の表紙は「沈黙の春(Silent Spring)」ではなく「暗黒の春(Dark Spring)」となったようです。
Remember John Lennon
2011.03.10 Thursday
昨年の10月から12月にかけて森の日記で書いた「ジョン・レノン連載」が英訳されて、本とCDになった。それ以前に書いていた他のレノン関連の日記も収められている。(日本語はサイドバーのカテゴリー"John & Yoko"で読めます)
"Greenlight English"という英会話教材のコンテンツに採用されたもの。
当初は『1000の風』の連載日記を英訳したいという申し出だったのだが、あの話はまだ終了していないので待っていただくことにし、連載を終えたばかりだった「ジョン・レノン」にしてもらったのだ。
翻訳や編集にぼくは直接は関わっていないけど、短期間に多くの人たちが動いてくれたらしく、とてもかっこいいペーパーバック(日本語も併記)とCDが完成した。
まったく新しいメソッドの英会話教材ということなので、詳細に興味のある方はこちらのサイトをチェックしてみてください。英訳された文をJ-WaveのDJらが朗読したCDの一部も試聴できます。
日本を愛していたジョンのことを思いながらの英会話学習も面白いかも知れないね。
アートワークス#56 岡本太郎
2011.03.07 Monday
「日本の芸術家の誰かに捧げる号を作りたいけど、誰がいいだろう?」と、アートワークスの常連たちに声をかけたのは1990年のことだった。圧倒的に多くの人たちから「岡本太郎」という返事があった。岡本さんの家は事務所から近かったし、訪ねていくと快く了承してくれた。岡本さん自身もこの号に参加してくれることになった。
アートワークスは150部限定のマガジンで、すべてオリジナル作品で構成されている。
岡本さんの作品は布のシルクスリーン。鉄板にガラスを貼った作品もあるし、タロー人形のプラモデルもある。木版画からオリジナルプリントの写真まで、まさに「爆発的な」号になった。こうやって写真で並べてもオリジナルの手触りが伝えられないのが残念だ。
25人の参加作家のうち、10作品を紹介したい。
作家とタイトルは上から、
井出貴久/表紙 岡本太郎/爆発
大房真一/「痛ましき腕」との出会い 谷口史朗/フラワータワー’90
一瀬晴美/私の爆発アート 武藤佳世/べろ出し太郎
中ザワヒデキ/芸術と人生 安藤博信/するどさ
沼田元氣/ヌマゲンからの御土産
ほうとうひろし・長谷部ひとし/レッド・キング
「岡本太郎号」が完成したときには参加作家たちが集まって、岡本さんと平野敏子さんを囲む食事会を開いた。岡本さんは人生をスローダウンさせはじめていた時期だったけど、あの巨人と出会い、接触した若い芸術家たちの中にどんな化学反応が起きたのか、その後の作品をたのしみに見ている。
河津桜 春一番
2011.03.01 Tuesday
近所のホームセンターで4,5年前、河津桜の苗木を売っていた。
「横浜でも咲くの?」と聞いたら「咲きますよ」と店員さんが教えてくれた。伊豆下田のような土地でしか咲かない桜だとばかり思っていたからだ。
買ってきて長老と一緒に植えたときは背丈が1mもなかった。
でも翌年の春には数輪の花を咲かせた。
その後も去年までは「数輪だけの花見」をしていたのだけど、今年ついにたくさんの花を咲かせてくれた。背丈も見上げるほどに成長した。
河津桜はピンクの色も濃いし、花も長持ちする。
なによりもいち早く春の到来を教えてくれるのがいい。
こうやって日本中どこででも咲くのなら、いつかは染井吉野の人気にとってかわるような気がしてならない。
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本名・長野眞
フライ・コミュニケーションズ代表
1948年生まれ。1971年上智大学を卒業後、新聞記者、コピーライターの仕事を経験し、シカゴに留学。帰国後「日本国憲法」(小学館)を共同編集したことで本を作る楽しさを知り、北山耕平とともにフライ・コミュニケーションズを設立。斬新でユニークなアイデアと感性で、数多くの作品を企画、編集、執筆する。2009年世界にたった一冊の本をつくる「ニュー・グリーティングブックス」のHPを開設。10年間横浜の小さな森の中で自然とともに暮らし、現在は鎌倉の海辺で閑かな日々を過ごしている。
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